VIPでまた書いてみた

元スレ 【ツンも】新ジャンル☆すくーる2限目【クールも】
http://ex16.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1154429186/l50


726 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/08/03(木) 23:15:51.08 ID:+rJbT+460
 C組担任のレベッカ宮本だ。
 最近転任してきたばかりだが、まあクラスの連中とは上手くやれている優しくていい先生だぞ。
 今は放課後の見回りをしている。
 こういう地味の仕事も、教師の大切な仕事だから、とは判っているものの、めんどうだ。
 隣のクラスを確かめると、生徒会長がロッカーに向かっていた。
 あいつ、放課後の教室で何してんだ?
 女生徒の私物を漁っているのだろうか?
ベ「なにしてんだ?」
生徒会長「み、宮本先生! い、いや別に、何もしてませんよ」
ベ「……渡辺か。まったく、少女趣味もいいが現実を見据えろよ」
生「渡辺さんは同級生ですよ」
ベ「どうみても、小学生だろ」
生「そ、それより、このことはどうか内密に」
ベ「まあ、お前もうちのクラスだからそういう傾向にあるのは、仕方ないしな
  でも、佐藤に見つかるなよ、洒落じゃすまん」
生「あ、ありがとうございます」
 まったく、困ったものだ。



727 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/08/03(木) 23:16:07.19 ID:+rJbT+460
 校舎内を一通り見て周り、私は研究室に行く。
 研究室、と言ってもクールが「一人で使える部屋があると便利だからな」という理由で架空の部活を作って申請している部屋だ。
 教師としては注意するべきなのだろうが、都合がいいので私も使わせてもらっている。
 それ以来、ウチのクラスでの連中もちょっとした溜まり場として使っている。
ベ「なんだ、佐藤に……渡辺もいたのか。クールはいないのか? 珍しいな」
 部屋の中では渡辺がベット、クールが用意した物だ、で寝ていて、その横に佐藤が座っていた。
 渡辺の頭を佐藤が撫でているのが、どことなくうらやましかった。
佐「……すいません、渡辺さんが急に寝ちゃったので」
渡「すぴーすぴー」
ベ「別にいいが、もう遅いから帰った方がいいんじゃないか?」
佐「……渡辺さん、起きて」
渡「あとごふんしたらおきるよー」
 渡辺の寝言はいつものことだが、こうなると起きないのは私も授業で経験済みだ。
ベ「起きんか、なあところで、なんで保健室じゃないんだ? まさか、この部屋に連れ込んで如何わしい事したんじゃないだろうな?」
佐「///ち、違います、こんなところではしません、ここでトランプして遊んでたら渡辺さんが」
 そうえば、この部屋が自由に使えるわりに、ウチのクラスにしてはそういう目的で使っているのを見たことがないな。
ベ「ああ、わかったわかった」
佐「……ありがとうございます」
「それにしてもこんなところでは、か、まあ別にいいけどなー」
 生徒とはあくまで学校の中だけの付き合い、がモットーなので、深くは追求しない。
 深く付き合いすぎても、所詮は長くても三年間の付き合いだ。
 結局、佐藤が渡辺を背負って帰ることになった。
 まるで小学生だな。
 私はそれを見送ってから、研究室に鍵をかけて帰宅した。
 まったく、渡辺が社会に出るのが今から不安だ。


728 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/08/03(木) 23:16:23.57 ID:+rJbT+460
 次の日の放課後。
 私は自分の生徒と教室に残っていた。
変態クール「みんな、生徒会長が死んだ」
 彼女の言葉は、ただの確認だった。それが現実だということの。
 今日の朝、生徒会長は研究室で死体となって発見された。
 死因は男性器を噛み切られてのショック死。
 死亡推定時刻は昨日の放課後。
変ク「集まってもらったのは、他でもない死体発見現場が、私たちが使っている教室、通称宮本研究室だったことが理由だ」
佐「……私たちが犯人だと?」
変ク「さすがだな、鋭い意見だ。
   生徒会長があの教室に連れ込んで返り討ちにあった、という意見も捨てがたいが、それにしては現場に当初鍵がかかっていたのがおかしい」
 研究室に使ってる教室の鍵は、私の靴箱に保管してある。
 これは、誰でも使えるようにしたい、という私の意図だ。
変ク「現場に鍵がかかっていた以上、犯人は鍵をかけれた人物、すなわち鍵のありかをしっていた、我らC組の中にいる。
   素直に自首してくれないか? 今ならまだ警察は、犯人がC組の中にいることに気づいていない。第一発見者の私が鍵がかかっていた、と証言していないからな」
変ヒ「俺はやってない! 昨日は素直ヒートと二人一緒にゲーセンでもえあがっていた」
佐「私は渡辺さんと帰りました」
バ女「私たちは一緒に帰って…… あっそうだ、看板娘ちゃんとお話したの」
バ男「うん、その通りだよ」
上田「昨日は図書室で本を読んでいたわ、司書さんと話もしたから覚えてくれいているはずよ」
透明妹「私は昨日も今日も箱詰め放置プレイされてました」



729 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/08/03(木) 23:16:40.59 ID:+rJbT+460
変ク「なるほど、みんなアリバイがあるわけか」
ベ「なあ、クール。こんな魔女裁判止めないか?」
変ク「悲しくないのか? 生徒会長を殺されて?」
ベ「それとこれとは話が違う、それに犯人にも何か理由が……」
変ク「ベッキー、これは推理小説なんかじゃない、ただの衝動からくる犯罪だ
   そうでもなければ、こんな意味のない密室やアリバイ工作しない
   計画的でないからこそ、私は自首して欲しいんだ、人を殺すなんて考えもつかない人ならまだ戻ってこれるはずなんだ」
ベ「ど、どういう意味だよ」
変ク「わからないか? 密室にするならするで、自殺に見せかけたり、自分が出入りできない時にするべきだし
    アリバイをでっ稚上げるにしろ、他の奴のアリバイがないときにしなければ意味がない
    いや、そもそも、アリバイなんてないんだから、見てそのままだ
    鍵はただ単にいつもの習慣でかけてしまったんだろ?」
ベ「な、なにを言ってるんだ?」
変ク「ベッキーしかいないじゃないか、生徒会長を殺せたのは」



730 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/08/03(木) 23:16:57.72 ID:+rJbT+460
ベ「……たしかに殺せたのは私しかいない、それは認める
  けど何も証拠はないじゃないか」
変ク「おかしいと思わなかったか?
   今まで、あの部屋で誰も変態的な行為にふけらなかった、何故だと思う?」
ベ「何故って、そんなこと私にわかるわけないだろ?」
変ク「隠していてすまなかったが、あそこで日夜ベッキーを盗撮してたんだ」
ベ「なっ!!! なんで、そんなことを」
変ク「変態だからだよ」
ベ「そんなのって、そんなのって!」
変ク「生徒会長は少女趣味だったからな、ベッキー怖かっただろ?」
ベ「……」
変ク「大丈夫、正当防衛だよ、ベッキーはまだ少女だしな」
ベ「それでも……
  私は先生失格だ」




732 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/08/03(木) 23:17:15.11 ID:+rJbT+460
変ク「なあ、ベッキー
ベ「なんだよ」
変ク「どうして、私たちだったんだろうな」
ベ「何が?」
変ク「この事件の関係者として選ばれた理由さ」
ベ「……」
変ク「新ジャンル名探偵、でも作ればいいのに、どうして私たち変態組でやったんだ?」
ベ「そんなことしらない」
変ク「こう思うんだ、ベッキーのためだったんじゃないか?」
ベ「私の? 私がなんでこんな目に!!!」
変ク「桃月学園1年C組、戻りたいんだろ?」
ベ「どうして……それを」
変ク「誰でも知ってるさ、ベッキーは私たちの中では珍しい固有の存在だからな」
ベ「固有……」
変ク「私は所詮、変態でクール、というパラメーターを付加されているだけの虚像でしかない
   針の触れ方ひとつで、絵師の書き方ひとつで変化する
   私たちはキャラクターだから、生死がない」
ベ「それなら、私だって」
変ク「ところが、ベッキーには正史があるんだ」
ベ「正しい私が?」
変ク「そう、ベッキーはそこに戻ったっていいんだ
   だって、もうここでは先生失格なんだろ?」
ベ「……」
変ク「まあ、私としては、変態女教師、なんて新ジャンルよりはベッキーの方が好きになれそうだな」
ベ「変態クール……」
変ク「やっと、変態と呼んでくれたな」



733 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2006/08/03(木) 23:17:42.20 ID:+rJbT+460
ベ「……っくる」
変ク「なんだって?」
ベ「私、ちゃんと、ここに帰ってくる、そしてもう一度お前たちの先生になる」
変ク「ああ、そうしてくれ」
ベ「いいのか? 私は、私はやっちゃいけないことをしたけど、本当にいいのか?」
変ク「そう決めんたんだろ? ならいいんだよ」
変ヒ「もちろんだぁぁぁ!!! 文句を言う奴はぶっ飛ばす!!!!」
バ女「今回のはサービスだけどね」
バ男「ええ、もちろんいいですよ」
佐藤「大歓迎です」
透明妹「そうです! そうです!」
ベ「みんな……
  私、戻ってくる、ちゃんと先生になって戻ってくるから!!!!」
変ク「ああ、そうだちなみに」
ベ「???」
変ク「生死がなく、正史がないのと同時に、女だから精子もないんだぞ! これは悲しいことだと思わないか?」
ベ「結局変態かよ……」



735 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [tatuki] 投稿日: 2006/08/03(木) 23:18:07.14 ID:+rJbT+460
変ク「これでよかったのか?」
佐藤「……何が不満なの?」
変ク「お前が生徒会長を扇動して、ベッキーを襲わせたんだろ? 渡辺さんを守るために」
佐藤「そうだとして、私がそうだという証拠は?」
変ク「渡辺さんにお前は隠し事をできない、渡辺さんに聞いてもらう」
佐藤「それでも、殺したのは宮本先生よ」
変ク「渡辺を守るためなら、何をしてもいいのか」
佐藤「ええそうよ、それが私のジャンルですもの
    あと、私からも質問があるの、いい?」
変ク「なんだ?」
佐藤「あなたのアリバイは?」





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「散々ロジックロジックいってなにこれ?」
 すいませんでした。
「ごめんですんだら、警察はいらない」
 だって、ロジックとか無理っすよ


というわけで、図らずとも自分のミステリ創作力が明らかになりました。
……次はロジック重視でやってみたいと思います