2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

風来のシレン4 神の眼と悪魔のヘソ プレイ日記その一「999といい倉庫番スキーでもいるの?」

JPY。たつきです。 まずは自己紹介。 不思議のダンジョンは、小学生の頃にトルネコを少しやっていただけで、 やり込み出したのはポケダンからの新参者です。 アスカ以外は大体プレイしています。 また、下記の好きなダンジョンを見ていただければわかります…

名もなき毒:宮部みゆき

「誰か」の続編となる長編ミステリ。 なんだか今読み返すと、馬鹿にしたような感想書いてるけど、小説として深みがあって良いシリーズです。 一概に暗かったり重いテーマを扱うんじゃなくて、ほんわかした優しい空気の上で、そういったテーマを描いているか…

千年の黙 異本源氏物語:森谷明子

源氏物語を書いた紫式部が探偵役を勤める、三部構成のミステリ中編集。 ミステリ要素はあるものの、ごくごく軽い日常の謎でミステリとしては軽い。 だけれど、小説としては多くを語らない、それでいてハッキリと伝えたいことが伝わってくる強いテーマをもっ…

殺人の門:東野圭吾

殺人の当事者、加害者本人を描いた長編小説。手紙やさまよう刃とテーマが似通っていて、東野圭吾の殺人に対する哲学が一本筋の通ったものであることがよくわかる。 小説としても非常によくできていて、物語を閉めるオーラスの展開は感想を述べることがおこが…

玻璃の天:北村薫

日常の謎を扱ったミステリ短編集、というよりは昭和初期を舞台にした『小説』の趣が強い。 もうこれでもか! ってぐらい真っ当な小説でミステリ要素は非常に薄い。ただ、その小説部分がいわゆる「考えさせられるストーリー」で、お腹一杯。 けれどもやっぱり…

あなたが名探偵:アンソロジー

フーダニットがテーマのアンソロジー。シンプルな本格ミステリあり、叙述トリックありと読み所が多くお得な作品集。 ヘリオスの神像(麻耶)とゼウスの息子たち(法月)は作者が好きなだけにとても楽しめた。後者は既読だったのだけれど、意外な事実がフーダ…

晩夏に捧ぐ:大崎梢

ミステリよりはキャラクタ小説によった長編小説。 ハウダニットありフーダニットありで、ミステリ要素自体はちゃんと入っている。けれど、どうにも薄く、特にフーダニットの根拠になる「指紋を残している」って推理がどうにもロジックというか議論を感じられ…

十角館の殺人:綾辻行人

新本格を代表する館シリーズの第一長編にあたる本格ミステリ。トリックやロジックではなくて、一点特化のサプライズは今読んでも痛快。 霧越やら暗黒やらで押し出される幻想趣味はほとんどなく、ミステリ要素一本で非常に読みやすい。 たった一つのシンプル…

迷路館の殺人:綾辻行人

館シリーズの第三長編にあたる本格ミステリ。 大掛かりな叙述トリックあり、フーダニットのロジックありと盛りだくさんな内容。特に迷路を利用した道順に関するロジックや、血に関する証拠と叙述トリックを組み合わせたロジックは本格ミステリの醍醐味を存分…

水車館の殺人:綾辻行人

大掛かりなトリックが見所の館シリーズ第二長編。 十角館は同じ時間軸で違う場所の二つの視点を描いていたのに対して、今作は違う時間軸で同じ場所の二つの視点を描いている。 トリック自体はオーソドックスな記述者を疑うものだけれど、それぞれの記述者が…

仮面幻双曲:大山誠一郎

本格ど真ん中にストレートを放り込む*1、気持ちいい長編ミステリ。 前作とは違ってパズラーというよりは、サプライズ寄りのミステリに感じた。共犯者の存在のせいでフーダニットにブレがあるし、双子のトリックが犯罪の迷彩としては複雑すぎる。 ただそれで…

アルファベットパズラーズ:大山誠一郎

短編が二つと中編が一つで構成される、本格ミステリ連作集。 ベストは地続きのロジックが素晴らしいFの告発。パズラー趣向だけじゃなくて、サプライズ寄りのトリックもあって大満足。純粋なパズラーとしてはアンフェア気味かもしれないけれど、ミステリとし…

死亡推定時刻:朔立木

冤罪がテーマの社会派長編ミステリ。サスペンスとしては面白い。キャラクタに感情移入して、先が気になる。 ただ、こうやって警察や裁判所が駄目であることを告発することに、小説的面白さを感じられなかった。 家族愛辺りが小説的にはテーマになっているの…

双頭の悪魔:有栖川有栖

学生アリスシリーズの第三長編にあたる、本格ミステリ。 前作の孤島パズルはパズラーとしては最高峰で、フーダニットに至るロジックの楽しみを存分に楽しめる。それに対して今作は、その楽しみが三回もある大ボリュームが魅力。 個々の事件に関するロジック…

孤島パズル:有栖川有栖

学生アリスシリーズの第2長編にあたる本格ミステリ。 タイヤで踏まれた地図、に関する地味なロジックが最大の見所で、密室のハウダニットは作中の探偵の言うとおりどうでもいい感じ。 本格ミステリの本格部分を徹底してやろうとすると、どうしても唯のパズル…

ボトルネック:米澤穂信

SF設定を基に描かれる青春長編小説。夏季限定を読んだときに、米澤穂信という作家はいつかミステリではなく文芸畑で活躍するんだろうなあ、と漠然と想像していた。まさにこれは「青春小説」であり「小説」だ。 ミステリ要素もいくつかあるが、どれも本格や社…

ミステリ読みが進める「トリック×ロジック」参加作家のオススメ小説「有栖川有栖編」

コーナー説明とご挨拶 チュンソフ党員の方々は、ゲームにお詳しい人は多くても ミステリはそれほどでもないという人が多いと思います。 私もミステリ読みとしてはまだまだですが、 トクロクまでに、これだけは読んでおきたいオススメを紹介したいと思います…

月光ゲーム:有栖川有栖

有栖川有栖のデビュー作にして、学生アリスシリーズの第一長編にあたる長編本格ミステリ。 ミステリとしてはフーダニット一本ながら、ロジックによる理詰めの推理がガシっ! と決まっていて面白い。 ただ、キャラクタがあまりにも多い上、彼らがほとんど描か…

9時間9人9の扉オルタナ 上:黒田研二

チュンソフトが開発した極限脱出9時間9人9の扉のノベライズ作品。 原作とは違った展開ではあるものの、原作最大の魅力である叙述トリックの伏線はちらほらばら撒かれている。 脱出要素を小説にするのは無理があったらしく、脱出パートはほとんどカットの上改…

チュンソフト完全新作「トリックロジック」がミステリ読みにはたまらない作家陣

・有栖川有栖 ・綾辻行人 ・我孫子武丸 ・竹本健治 ・麻耶雄嵩 ・大山誠一郎 ・黒田研二 あまりの興奮に研究室から更新. このメンバーはすごい. 特に麻耶とか小説書かずに何やってんだよw って感じ. というわけで,たつきに薔薇を,ではこれらトリックロ…

難民探偵:京都の二十歳

キャラクタ小説ばかり書いていたメフィスト賞作家のミステリ長編. ミステリの要素は意外な犯人の一点で,トリックやフーダニットへのロジックなどは特になかった. 四行はおろか,三行も感想が思いつかないので,9時間9人9の扉「オルタナ」(上)の雑感でも…