死亡推定時刻:朔立木

冤罪がテーマの社会派長編ミステリ。サスペンスとしては面白い。キャラクタに感情移入して、先が気になる。
ただ、こうやって警察や裁判所が駄目であることを告発することに、小説的面白さを感じられなかった。
家族愛辺りが小説的にはテーマになっているのだろうが、今ひとつ伝わってこなかった。どの登場人物も淡々としていて、三人称の文体の悪さばかりが目立つ。
ノンフィクションとして読むのであれば価値があるのだろうが、社会派ミステリとしては、もう少し小説に寄った面白さが欲しかった。