2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

内村かなめが面白い。

今一番面白い漫画は? と聞かれたら「もっと! 委員長」以外思いつかないぐらい、面白いと思う。 でも、何がどう面白いかは説明できない。 とにかく面白い。 みんな読もう、是非読もう、ぱれっとを読もう。 (単行本出るといいなあ)

北山猛邦:『アリス・ミラー城』殺人事件 四点(五点満点)

定番とお決まりだけで構築しているにもかかわらず、面白い作品。 ミステリを理解し、ある程度叙述トリックに見慣れていてこそ、引っかかりやすい構成になっている。 特にミスリードに古典である「そして誰もいなくなった」を使用する件は、秀逸。 所謂新本格…

倉知淳:星振り山荘の殺人 三点(五点満点)

メタ設定や特異な世界観を出さずに、普通の本格ミステリでオチである意外な犯人も普通。 こういう類の小説を読むたびに、お決まりのガジェットだけで構成されたミステリを読むことの意味を考えてしまう。 「意外な犯人」というお決まりの一つであるこの作品…

若竹七海:製造迷夢 四点(五点満点)

この作品はホワイダニットによっており、それがミステリ的魅力とは別に小説としての魅力にも繋がっている。 というと、日本の超能力ミステリの代表作チョーモンインシリーズとの関連を考えてしまう。 チョーモンインシリーズが「ホワイダニット」から人の悪…

重野なおき:のの美捜査中! 三点(五点満点)

一週分の連載におけるそれぞれの四コマが、ストーリー形式で繋がっており、一週で一つの大きな流れを作っている類の四コマ漫画。*1 フーダニットやホワイダニットやハウダニットに優れているわけではないが、四コマというコマ数への制限がミステリ的な魅力を…

法月綸太郎:法月綸太郎の新冒険収録「身投げ女のブルース」 満点

※信者補正有り 感想を書くという趣味を持った上で、同じ感想や評論を読むと「ああ、自分は物を知らないなあ」と常々感じてしまう。 そう思うたびに、小説をただただ読むだけじゃなくて、もっと広い世間を自分は知らないといけないよな、と自戒するのだけど。…

鯨統一郎:すべての美人は名探偵である(一点:五点満点)

歴代のシリーズ作品で取り扱った、歴史のトンデモ解釈と童話のトンデモ解釈を一つの事件に集約させた構成が面白い。 しかし、どちらも長編を引っ張っていくだけの、謎の魅力を感じられなかった。 あくまで繋がりのある短編集のボーナストラックとして楽しむ…

有栖川有栖:マレー鉄道の謎 四点(五点満点)

当たり前で普通の本格ミステリ。 だけれども、長編一本を小説的な要素や苦悩を書かずに、ただ直球の本格ミステリを書くことは存外難しい。*1 小説としての面白さを*2逃げと考え、ただ単純にミステリ的ガジェットを導入することを否定する、そんな「本格」と…

誰か助けてください><

クールでサドなロリキャラが出るエロゲがないと、たっくん死んじゃうんです><; 具体的に言うと、園児〜低学年ぐらいの外見の子が 「なに? そんなことも出来ないの? 死ねば」 とキツい言葉をくれるのが最高です。 ですが最低なのは、ツンデレです。 ボク…

三宅章介:黒魔法ラブラブ大作戦

1997年、ToHeartというLeafがまさに頂点を迎えた年にこの小説が発売された。 という事実だけで、なんだかもう感慨深い。 同棲があるものの、実質的なkeyスタッフのデビュー作Moon.もこの年である。 現代のエロゲを引っ張っているLeafメインライターの彼が、P…

原田宇陀児:新興宗教オモイデ教外伝(満点)

※信者補正有り 大槻涼樹でも元長柾木でもなく、原田宇陀児が大槻ケンヂの外伝を書くということが、感慨深い。 作品としての面白さとか、文体だとかミステリとしての魅力だとか、そういう次元で語るのではなく。 1996年の雫から、もう十年以上もたっているん…

東野圭吾:どちらかが彼女を殺した 三点(五点満点)

この小説の結論は読者に委ねられている、と思われがちだが、それは「ミステリは真犯人を書かなければいけない」という前提があって初めて成立する。 あくまでこの小説の結論は「真犯人がどちらかであると推理することができる」というもので、真犯人自体を読…

たまにはポケモンの話でもしてみる。

いまだにGBAでの対戦を楽しんでいます。 メインPTは「ナッシーとダーテングの攻撃の種族値って5しか変わらないんだぜ? ダーテングPT」です。 晴れPTでアタッカーを務めていたヘルガーが、友人の物理ヤドキングというわけのわからない、ヤドキングに殺されま…

森博嗣:奥様はネットワーカー 二点(五点満点)

一人称を次々に乗り換えていく文体が面白い作品。 軽い叙述トリックからくるサプライズは、森博嗣らしくない軽さも感じられる。 良くも悪くも詰め込んだ内容を書く作家だが、今作は軽くかつポエミィな文章で明確な結論やテーマをぼかしている。 森博嗣のパズ…

後期クイーン問題に言及している自分の記事まとめ

自分用のメモです。 後期クイーン問題は三つに分けられる。 名探偵を利用した事件、名探偵の存在により事件がおこる(=名探偵の苦悩) 証言や証拠を疑いはじめたら切りがない(=フレーム問題) そもそも真実なんてどこにあるんだ(=ゲーテル) 「名探偵の…

石持浅海:セリヌンティウスの船 三点(五点満点)

偽りの証言という、後期クイーン問題の根底をなしている問題の一つを「信頼できるから大丈夫」といってのけた作品。*1 その「絶対の信頼」を下敷きに繰り広げられる論理展開。 細かい文芸設定上の苦悩や、絶対の真実などとは一線をなした(登場人物にとって…

西澤保彦:黄金色の祈り 五点(五点満点)

ミステリと青春小説の相性の良さがよくわかる作品。*1 私小説のような展開の青春小説を叙述トリック味付けした、ミステリよりは小説に寄った作品。 だが、単純に作者のプロフィールなどから、私小説的と断言してしまうのは、どうも作者の仕掛けた「メタトリ…

貫井徳郎:神のふたつの貌 五点(五点満点)

小説としても、サスペンスとしても面白い。 小説の面白みをテーマ、サスペンスの面白みをサプライズとするなら、この作品はこの二つを上手く両立させている。 特に神というテーマを通じてキャラを立てることで、それを叙述トリックへの足がかりにするのは見…

芦辺拓:十三番目の陪審員 4点(5点満点)

社会派と本格を融合させた稀有な作品。 と口で言うのは簡単だが、この作品の特異なところは、事件の解決が名探偵にゆだねられていない所にある。 「謎」と「事件」を二分化し、名探偵が謎を論理的に(本格的に)解くだけで話を終わらせるのでなく、謎を解い…

はじめに

四行ミステリ感想は、四行からなるミステリの感想です。 採点基準は五点満点ですが、例外枠として「満点」という評価を設けています。 1<2<3<4<5<(超えられない壁)<満点 ということです。 基本的に満点に分類されるのは、所謂信者補正のかかった作品…

法月綸太郎:ふたたび赤い悪夢 満点

※信者補正込み この作品によって「後期クイーン問題に挑む者たち」の理想的な解答が示された。 後期クイーン問題を取り扱う作品を「解答」を目指すミステリへの挑戦作と、「出題」を描くことによる文学的な作品の二種類に分けたとき、この作品は「出題編」に…

既に死んだキャラが前提にある作品が好き

歌月のさつき、ホロウの神父、辺りね。 ここらで、ここ最近話題に出している 「リトルバスターは再読しにくい」 という議題について、考えたいと思う。 つまるところ、何故再読しにくいのかというと 苦労して(プレイ時間にして30時間ぐらい?)、幻想世界か…

金八完全版の感想、という名の、ぴたぴたエンジェルの感想

合唱はいい、合唱は心が洗われる。 と思いながら何度もプレイしていたのですが (リトバスと比べてどうだろう、この作品の再読のしやすさは) ほんとに、合唱を聞くだけで心が揺れる。 例えば、おジャ魔女とか、とらハ3フィアッセシナリオとか、2ndGIGのタチ…

キャノン先生トばしすぎに思わず感動してしまった。

この、思わず、というのが貴重だと思う。 例えば、リトルバスターズの最後に何かが待ち構えているのは、誰でもわかることで 思わず感動はしないはずです。 こう考えると、情報を集めて、考察をするのは、思わずくる感動を妨げる物以外の何物でもないと思う。…