2009-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Dクラッカーズ:あざの耕平

今は無き、富士見ミステリー文庫の創刊を飾った、シリーズの第一巻にあたる長編ライトノベル。ミステリ要素は名探偵の登場ぐらいで、内容はドラッグを題材にした所謂異能物。 ドラッグという現実にある要素を題材にしているわりに、ドラッグ社会みたいなもの…

パラダイス・クローズド:汀こるもの

アンチミステリならぬ、アンチ本格を扱った本格ミステリ長編。高校生探偵が本当にいたら、という設定だけでまず引き込まれた。 ミステリとしては物理トリックぐらいで他にトリックらしいトリックはなかったけれど、探偵が犯人に仕掛けるトリックってのは面白…

EVE new generation

999に向けて打越作品予習計画の第五弾にあたる、長編”本格”ミステリゲーム。 変装、変声機、記憶消去、二重人格、どれもオチとしてはタブーなトリックだけれど、これらがあることを前提に話が展開されるのでとてもフェアだと思い”本格”と形容した。 もちろん…

アナザーコード二つの記憶

999に向けて他のDSらしさを生かしたADVを予習しておこう企画の一発目。 マイク、二画面、タッチとDSらしさを多く使ったADVで、特に二画面を利用したトリックはまだまだ発展性がありそう。 トリック自体の謎解きは楽しかったのだけれど、ストーリーは起伏の無…

デバックガール:北島行徳

ミステリではなく、ゲーム会社を舞台にした普通の小説。 それにしてもさすが428の北島、バケツの北島である。ネットのスラングで言うなら「スイーツ(笑)」な女の子にハッキュンドッキュンさせる展開は、もうまさに新ジャンル。 バケツやサークルでも見せた…

Memories Off唯笑トゥルールート

999に向けて打越鋼太郎予習週間第四弾の、ギャルゲーム。 ミステリスピリッツを感じる中々の良作で、読者を驚かせようという気概はこの作品からも感じる。 ただ、サプライズに偏りすぎて、驚きの過程に欠けている打越らしい作風ともいえる。 この驚きの過程…

バベル島:若竹七海

日常の謎物で有名な作者のホラー短編小説。 全編ほとんどホラーや小説で、ミステリ要素はほとんどない。 ベストがどうとか語るのは難しくて、どれも同じような作品に思えてしまった。 自分はホラーがよくわからないのだなあ、と再確認できた。

99%の誘拐:岡嶋二人 四点(五点満点)

誘拐を扱った長編ミステリ。 最新機器を使って誘拐物を書いたら面白いんでない? っていう一発ネタと思いきやプロットが抜群に面白い。 この文章を追うだけで楽しい、ってのが強烈なオチや本格的な要素が無くても高評価の理由。 ただ、やっぱり推理の過程み…

極限脱出 9時間9人9の扉 ノナリーゲーム対策室その五 淳平を含む扉を開ける組み合わせ

ナンバー対応リスト 1:一宮 2:ニルス 3:サンタ 4:四葉 5:淳平 6:紫 7:セブン 8:八代 9:9番目の男 1の扉 568 淳平 紫 八代 1の扉 5689 淳平 紫 八代 9番目の男 1の扉 1567 一宮 淳平 紫 セブン 1の扉 15679 一宮 淳平 紫 セブン 9番目の男 1の扉 256…

極限脱出 9時間9人9の扉 ノナリーゲーム対策室その四 まとめ

ナンバー対応リスト 1:一宮 2:ニルス 3:サンタ 4:四葉 5:淳平 6:紫 7:セブン 8:八代 9:9番目の男 「1」の扉を開けられる組み合わせ 127 : 一宮 ニルス セブン 136 : 一宮 サンタ 紫 145 : 一宮 四葉 淳平 235 : ニルス サンタ 淳平 289 : ニル…

チョコレートゲーム:岡嶋二人

本格よりもサスペンスや小説に寄った長編ミステリ。 良い意味でも悪い意味でも、トリックも小説も伏線も軽く重厚さであるとか、複雑怪奇な謎では一切ない。 その分、親子愛だとか、子供の闇*1みたいな小説部分がわかりやすく伝わってくる。 それにしたって、…

トキオカシ:萩原麻里

ミステリではなく、ライトノベルの長編。 殺人事件が発生するものの、推理をしたりどんでん返しがあるわけではないので、ミステリ要素は一切無い。 記憶の剥奪やタイムスリップが何かしらのトリックに関係してくるかとも期待したけれど、Love以降の富士…

左90度に黒の三角:矢野龍王 三点(五点満点)

オーラスのトリックに一点集中した、本格ミステリ長編。 今までの作品と違って、驚かせよう、ビックリさせようという気概と、トリックは感じられたので少し点数をアップした。 ただあまりにもハウダニットに寄り過ぎていて、トリック一点集中にもほどがあり…

シンデレラ・ティース:坂木司

歯医者を舞台にした日常の謎物のミステリ短編連作。 ミステリではあるものの、変わった職業に由来する知識ネタ一本背負いが多く、本格にはほとんど寄っていない。 ただ、その分小説としてはしっかりと、恋愛の過程を描いていて、ミステリというよりは恋愛小…

なみだ学習塾をよろしく!:鯨統一郎

日常の謎を扱ったミステリ短編集。 小さいネタを短編とはいえ、小説に膨らませるのは、もはや手抜きというよりは職人技。 ネットのBBSと現実の掲示板を間違えたなんて、ポアロBBSの珍文にすらならないぐらい、小さいネタだよなあ。 空の境界からτになるま…

そして扉が閉ざされた:岡嶋二人

フーダニットに徹底的に拘った本格長編ミステリ。 徹底した議論に次ぐ議論で「論理の枝葉」をどんどん切り落としていく様は、まさに本格ミステリ。 舞台設定の面白さや、意外な真相よりも、このひたすらに議論する構成が読んでいて楽しくてしょうがなかった。…

誕生日記念クイズの正解発表その二。

あまりにもスルーされすぎて涙でてきたけど、ミステリ感想サイトだから! ここはミステリ感想サイトだから! と自分に言い聞かせてます。 問題その六 悪タイプの補助技「ちょうはつ」。 この技を悪タイプで覚えないポケモンは誰でしょう? A.ダーテング 問題…

タイトルマッチ:岡嶋二人

誘拐物の長編ミステリというよりは、長編サスペンス。 ホワイダニット、フーダニット、ハウダニットのどれも重視されておらず、犯人を追う過程であるとか、誘拐された子供の親の心境であるとかが小説している作品。 意外な真相で二転三転する類でもなく、全…