2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

青井夏海:陽だまりの迷宮 三点(五点満点)

大家族をテーマにした短編連作。 ミステリ要素は日常の謎ばかりな点と短編連作というスタイルから、ある程度の予想がついてしまう定番の展開。 それを裏切らない今作ですが、他の作品と違い叙述トリックによって上手く主人公の成長という小説的魅力強調して…

後期クイーン問題は出せばいいってもんじゃない

と常々思う。 きちんと結論まで持っていって、その上で小説してこそ、だと思うのです。 まあ別にどの作品がどうとは言いませんけどね、ぐるぐる、ぐるぐる。

平井骸惚此中ニ有リ 其二 四点(五点満点)

富士見ミステリー文庫の中ではきちんと本格やミステリしている稀有なシリーズ。 トリック自体は先例もあり、後期クイーン問題と絡めるのもオーソドックス。 けれど、後期クイーン問題に対してきちんと「結論」まで書いているのが、ものすごく好印象。 作品の…

加藤元浩:Q.E.D 16巻収録「サクラサクラ」 五点(五点満点)

推理漫画界の大御所QEDの個人的ベストエピソード。 ミステリ的魅力は、日常の謎と軽い理系ネタといういつものノリで、あまり面白いものではない。 ただ、小説(漫画)的魅力として、長いシリーズを通しての名探偵とワトスンの関係に一つの結論が出た点が上げ…

横山秀夫:影踏み 四点(五点満点)

特異な独自設定を元にしておきながら、オーソドックスな小説的魅力を抱えた青春小説。 2ハートイン1ボディーという、独特な設定をとっておきながら、徹底的に地味な展開を見せる。 犯罪小説としての知識披露の面があまり意味がないかもしれないが、その点も…

殺人方程式:綾辻行人 四点(五点満点)

ホラーや幻想小説*1の趣も強い綾辻とは違った、本格一辺倒の作品。 オーソドックスな物語でかつ、ホワイダニットを主題にしたミステリ要素が地味ながらキレのある作品。 館シリーズが叙述トリックのために、ぼかした遠回りでわかりにくい文章が続くのに対し…

思ってることを垂れ流す サードストライク

JPY〜、たつきです。 年末に、パトレイバーマラソン視聴でもしようかな。 と思ったけど、ポルフィの長い旅の予習をかねて 望月作品の予習も捨てがたい。 中古でM×S(大槻のマイナーなエロゲね)が売ってるのを発見。 買おうか買わまいか悩んでたら、売れちゃ…

鯨統一朗:タイムスリップ釈迦如来 一点(五点満点)

ここまでくると、もうバカミスでも何でもない、ただのバカなんじゃないか、と思う。 点数は低いですが、決して評価していないわけではありません、むしろ鯨長編では一番好き。 なのですが、さすがにこれに高い点数をつけれるほど「バカ」に対して一定の価値…

有栖川有栖:海のある奈良に死す 二点(五点満点)

有栖と火村のラブラブ旅行を楽しむ作品として読むと、とっても面白い。 特に有栖が火村の悲鳴を聞かない振りをするあたりもう、ガチですよねー。 そんな感想しか浮かばない微妙な作品。 ワントリックワンアイデア(第二の事件のトリックはワンアイデアでも何…

人形館の殺人:綾辻行人 三点(五点満点)

時計館の前、迷路館の後、という館シリーズの最高峰に挟まれた微妙な作品。 なのだが、個人的には凄く好きなどんでん返し。 シリーズ物のミステリをやるなら、一回はこういう類のネタに挑戦して欲しい。 ただ、一つのミステリとしての完成度はあまり高くない…

西澤保彦:ナイフが町に降ってくる 二点(五点満点)

西澤おなじみのSF本格ミステリ。 独自設定を元にしたロジックやトリックが面白い、というのがSF本格ミステリの肝だが、今回の「時間停止」は面白いものの、肝心の謎解きがイマイチ。 さすがに、その先にもう一回どんでん返しがあるだろう、と期待してしまう…

島田荘司:占星術殺人事件 五点(五点満点)

本格ミステリのお手本。 幻想的な謎を論理のアクロバティックで解決するという、本格ミステリの王道を体現した作品。 個人的にはあの有名なトリックよりも、第一の殺人における足跡に関する地味な論理展開が面白いと思う。 ワントリックワンアイデアで、長編…

ハードスカトロ好きだけど成年コミックはあんまり読まない人に進める成年コミックを紹介

スカトロ好きはスカトロ好きでも 食や塗などのハードな物を取り上げてます。 手に入りにくい物もあると思うので、地道に古本屋を巡るといいと思うよ。 (ネット通販を利用したことないので、そういうのはわかりません) そもそもハードスカトロが好きで成年…

思っていることを垂れ流すリターンズ

ダビスタやりたい、ダビスタ98がやりたい たつきです、今週も垂れ流す。 98やりたいといっているけど、やったことあるのはPSと99のみ。 クリスタルグリッターズ縛りプレイとか楽しかったなあ。 今週の野望神社がエロすぎ。 生天目と伊藤静の絡みがあるエロゲ…

乱歩賞作家を指すときに使われる社会派と一般的な意味合いの社会派は少し違う気がする

今日話題に出した北森は乱歩賞的な意味合いの社会派(の要素も兼ね備えている 古処とかもそんな感じ。 同じメフィスト賞作家でも逆に日明恩は一般的な意味の社会派だと思う。 でも、桐野夏生は乱歩賞作家だけど、一般的な意味合いの社会派であって、乱歩賞作…

北森鴻:触身仏 四点(五点満点)

民俗学的な謎と現実の事件とを上手く関連付けそれらを本格のノリで解決する、異色*1の本格ミステリシリーズの第二段。 前回はこの紹介通りの内容だったが、二作目である今作は狂言回しであったはずの名探偵やワトスンを事件に組み込んだ作品もいくつかある。…

矢野龍王:時限絶命マンション 二点(五点満点)

サスペンスっぽいノリのゲームを題材にしている作品。 独自設定のゲームを持ち出し、その中で知略をめぐらせる類の小説かと思いきや、オーソドックスなサスペンス調の展開が続く。 特に小説的魅力やミステリ的魅力があるわけでもなく、ましてや読んでいるだ…

歌野晶午:世界の終わり、あるいは始まり 四点(五点満点)

後期クイーン問題ないしは、名探偵の苦悩を明るく前向きに肯定した作品。 興味深いのが、フレーム問題に関わる展開が毒入りチョコレート事件のようでありながら、実際は何の証拠も根拠もないただの妄想に終始している。 その点が本格ミステリとしては難癖を…

秦建日子:推理小説 二点(五点満点)

定番を崩したという定番の新本格、というかメフィスト的な作品。 アンフェアに対しての記述も後期クイーン問題というよりは、ただの愚痴にしか思えなかった。 ミステリファンは確かに合理性やトリックよりロジックを求めるけれど、それはあくまで「謎解き」…

泡坂妻夫:亜愛一郎の逃亡 五点(五点満点)

アクロバティックな論理展開が見事なシリーズ最終作。 この作品の魅力はもちろん、徹頭徹尾一貫した地べたを這うような論理展開にある。 あるのだが、シリーズ最終作だけあって、小説としても面白い。 特に小説的魅力やテーマなどが描かれていない、ただの記…

思ってることを垂れ流す

○漫画脳 おちよしひこ作品でベスト5を選ぶなら SBM>ダビスタ>ロードス>わらし>海の人 だったんだけど、最近イクドラシクの面白さに気が付いた。 のはいいけど、ゼファー売ってない! 氏家ト全最萌えは初期ショーコ、これは譲れない。 今月はももせたまみ…

上田志岐:ぐるぐる渦巻きの名探偵2 逆しまの塔とメイ探偵 三点(五点満点)

メタミステリと世界系をミックスしたラノベ調ミステリシリーズ第二段。 トリックなどのミステリ的魅力は、いたって普通で特に面白いものではない。*1 魅力はキャラ設定と絡めた軽めの後期クイーン問題絡みの話題。 ありがちな設定であるし、問題提起だけで解…

井上夢人:風が吹いたら桶屋がもうかる 三点(五点満点)

超能力SFミステリ、ではなくオーソドックスな安楽椅子探偵短編集。 超能力を扱っておきながら、謎解きが地味でしつこい*1論理展開なのが面白い。 小説的な広がりには薄く、判を押したようなおなじみの展開は縛りとしては面白いが、小説としてはどうだろう。 …

ゆうきまさみを考える上での作品系譜的な物

年代はかなりざっぱです。 単行本にまとまってない読みきりはブラック・マジックKNIGHT以外載せていません、というか知りません。 ○絵日記漫画(ギャグ) パロ漫画:80〜 ↓ 気まぐれデイウォッチ:84 風潮:84 CONTACT:84 最強のトクサツ:85 ↓ あ〜る:85…

谺健二:恋霊館事件 四点(五点満点)

震災をテーマにしたシリーズ二作目。 一作目とは少し違い、震災のその後をメインに扱っている。 だけれども、やっていることやテーマ的には何一つ変わっておらず、シリーズとして一貫している。 短編連作と銘打っているが、中篇の問題編と解決編の間に短編を…

佐竹彬:開かれた密室 一点(五点満点)

SFミステリのシリーズ第三作。 トリックがお粗末すぎる、前回までのように独自設定を使った上で、なお不可能状況だからこそSFミステリが成り立つわけであって、これじゃあただの「独自の凶器」を示した犯罪小説で、ミステリじゃない。 シリーズ的にもテーマ…

ぐるぐる渦巻き感想のどうでもいい注釈

メイは萌える。 あと次のシリーズの外見幼女もあり。 本気でどうでもいいな。

上田志岐:ぐるぐる渦巻きの名探偵 三点(五点満点)

富士見ミステリ文庫らしい、萌えとミステリの合わせ技。 メタミステリ的な設定もキャラ設定と直結させており、キャラ造詣に関しては上手いと思う。 だが、それらの設定が萌え路線の方に繋がっており、ミステリ的な魅力は動機一本のみで魅力に欠ける。 この先…

おちよしひこのダビスタ外伝を久しぶりに再読

押入れを整理していて発掘。 漫画の類を大量にしまっていたのを忘れていました。 高校生ぶりぐらいに読み直したんですが、面白いですよねえ、これ。 マリエリ、イクドラ、SBM、ロードス、あじす名義しか読んでないので その他の作品はわからないのですが、読…

ジャンプスクエアのTISTAが面白い!

エンバーミングしか読む物ないし立ち読みですまそうと思ったんだけど 読み終わった後レジまで持って行ったよ。 もちろん二話以降次第だけど、単行本買うことも視野に入れて、スクエア自体を購読しようかなあ。