2012-03-01から1ヶ月間の記事一覧

平台がおまちかね:大崎梢

出版社の新人営業マンを主人公に、日常の謎を追う短編ミステリ。 ミステリのネタ自体は、小さいものが多いが、読ませるキャラクタはさすが大崎梢。 カップリング相手が豊富なので、妄想しまくりで読後感も○。 ベストは家族愛物の「絵本の神さま」。家族愛、…

Another:綾辻行人 ネタバレ有り

ホラー作家、幻想小説作家、そしてなにより新本格ミステリ作家である綾辻行人の長編本格ミステリ。 議論の量が本格としての価値だ、がモットーであり、サプライズよりロジックを表明している自分としても、これは本格だと認めざるをえない。 犯人言及のロジ…

紙魚家崩壊 九つの謎:北村薫

ミステリからホラーから小説まで幅広いジャンルをカバーする短編集。 ミステリ読みとしては、アンチミステリの極みとも言える「死と密室」、ちょっとしたパズラーの趣がある「おにぎり、ぎりぎり」あたりが良かった。 ベストは最長であり、唯一の本格ミステ…

嫉妬事件:乾くるみ

恋愛小説と本格ミステリのスレスレを行き交う作者が今度は、バカミスと本格ミステリのスレスレをうまくついた世にも珍しいウンコをあつかった作品。 バカミスと書いたが、中身はガチガチの本格ミステリで、徹底した議論が繰り広げられ、本格の面白さは議論の…

白戸修の事件簿:大倉崇裕

巻き込まれ探偵が主人公の軽犯罪が軸となった短編ミステリ集。 コメディリリーフが上手く、緊張感をもった犯罪パートとコミカルな会話劇とのバランスが絶妙に混ざり合っている。 特にテーマになっている軽犯罪(スリや万引きなど)を追っていくのは、なるほ…