左90度に黒の三角:矢野龍王 三点(五点満点)

オーラスのトリックに一点集中した、本格ミステリ長編。
今までの作品と違って、驚かせよう、ビックリさせようという気概と、トリックは感じられたので少し点数をアップした。
ただあまりにもハウダニットに寄り過ぎていて、トリック一点集中にもほどがありすぎる。
悪いことじゃあ無いんだけど、もう少しでいいから何故? の部分に切り込んで欲しかった。
それと気になった点を一つ「狂気に理屈などいらない」P252 これはミステリ作家の言うことじゃあないと思う。
狂った中にも論理があると信じ、狂った理屈を考えるのがミステリの醍醐味の一つだと思うけどなあ……