Dクラッカーズ:あざの耕平

今は無き、富士見ミステリー文庫の創刊を飾った、シリーズの第一巻にあたる長編ライトノベル。ミステリ要素は名探偵の登場ぐらいで、内容はドラッグを題材にした所謂異能物。
ドラッグという現実にある要素を題材にしているわりに、ドラッグ社会みたいなものをハードボイルドやら社会派に寄るのではなく、あくまでライトノベルとして処理している。
この作品やタクティカルジャジメントやらの富士見ミステリー文庫がLOVE革命する前のシリーズは、ミステリとラノベのすり合わせを本気で考えていたとは思う。
ただ、やっぱりミステリを名乗るのであれば、本格なり社会派なりハードボイルドなり、ライトノベル以外の部分をしっかり書いて欲しかったなあ。