芦辺拓:十三番目の陪審員 4点(5点満点)

社会派と本格を融合させた稀有な作品。
と口で言うのは簡単だが、この作品の特異なところは、事件の解決が名探偵にゆだねられていない所にある。
「謎」と「事件」を二分化し、名探偵が謎を論理的に(本格的に)解くだけで話を終わらせるのでなく、謎を解いた上で陪審員が事件を解決しなければならない。
このように「謎」と「事件」を明確に分けたことで、社会派的なテーマと、本格のセンテンスを上手く融合することが出来た作品である。