石持浅海:セリヌンティウスの船 三点(五点満点)

偽りの証言という、後期クイーン問題の根底をなしている問題の一つを「信頼できるから大丈夫」といってのけた作品。*1
その「絶対の信頼」を下敷きに繰り広げられる論理展開。
細かい文芸設定上の苦悩や、絶対の真実などとは一線をなした(登場人物にとっての)絶対の論理を元にしたオチは秀逸。
純粋なロジックを展開するための設定が、小説としてのオチにも繋がるという、よく練られた設定も面白い。

*1:ここに至るまでの過程を描いたのがひぐらしのなく頃に、だと思う