殺人の門:東野圭吾

殺人の当事者、加害者本人を描いた長編小説。手紙やさまよう刃とテーマが似通っていて、東野圭吾の殺人に対する哲学が一本筋の通ったものであることがよくわかる。
小説としても非常によくできていて、物語を閉めるオーラスの展開は感想を述べることがおこがましいほど。
死が確定している人物を殺害する。というネタは、城平京のワンダフルハート*1法月綸太郎の死刑囚パズル*2などが思いつくが、長編であることを差し引いても、ホワイダニットが非常に納得のいくものに仕上がっている。
それにしても、中盤ぐらいまで同性愛のストーリーだと勘違いしていた。自分のことを同性愛に関するトリックを100%見破れる能力者だと思っていたのですが「100%見破る能力」ではなく「100%そう思い込む能力」だったのです、驚きだ。

*1:名作!

*2:超名作!