似鳥鶏:理由あって冬に出る 一点(五点満点)

青春ミステリは案外敷居の高いものだと実感させられた。
小説としての面白さと、ミステリとしての面白さのどちらかが欠けても、満足できない上に、それらが複雑に絡み合う様が魅力的だからだ。
この作品では、ミステリ部分(トリック)が小説的テーマと特に関係がない上、結末やどんでん返しはミステリと関係がない。
単品の出来は面白いのだけれど、コース料理のようにそれぞれ持ってこられても青春ミステリとは思えなかった。*1

*1:青春小説単品としてなら満点近くつけたいな。探偵×ワトスンの古典的やおい妄想とかしちゃうぐらいキャラ立ちもいいし