犯罪ホロスコープ:法月綸太郎

解法のロジックよりも、意外な結末の導入よってガラっと変わる世界観が魅力的だった。
都築道夫の退職刑事のような、悪く言うと無味無臭の世界観だからこそ出来る、意外な結末の使い方だろう。
キャラクタや奇妙な謎の臭いを前面に押し出さず、あくまで言葉のやり取りのみで浮かび上がる事件の見せ方がこの世界観の骨組みなのだろう。
ただ、ギリシャ神話と絡めた言葉遊びのようなコジツケが小説的魅力や意外な結末に関連していないとするならの話である。*1

*1:皮肉っぽい?