解決まではあと6人:岡嶋二人 三点(五点満点)

短編連作のようだが、実際は視点がどんどんと入れ替わっていく長編小説。
最近では伊坂幸太郎がたびたび使う手法で、この作品でもこの手法の面白みが十分に伝わってくる。
京極堂シリーズにおける中禅寺秋彦のような総括する探偵がいるわけではなく、あくまでそれらの物語がつながっていると感じるのが読者、という構成が上手い。
構成の妙による仕掛けは当然すばらしいのだが、犯人を追及していく過程が少し早足に思え、せっかくの繋がりがまとまっていく感じが味わえなかったので少し点は抑え目にした。