点数評価に思いをはせてみる

刹那の魔女の冒険まで読了。


霧舎が正統派でありながらも、枠組みの外にもミステリの味を求めてて
氷川が正統派の枠組み自体を俯瞰するような作者
みたいな、印象があるんだけど、関田涙はどうなんだろう。


メフィスト賞の中でも本格派に位置する作者だと思うんだけど、どうも傾向がつかめない。


刹那の魔女を見なかったことにすれば、物語的味付けとしての名探偵の苦悩を扱う城平とか米澤と同系列のようにも思える。
なんだけど、刹那の魔女がどうも難しい。


まず、最近挑戦してる「思考過程の文章化」というお題に沿うように、ちょっと解説。
僕の中でミステリ作家は、四種類の方向性で別けれると思ってます。


これは元々、鯨統一郎がミステリアス学園の巻末で表にまとめてた
本格ミステリ度マップを、本格だけに限らず、ミステリ全体に当てはめれるような表が欲しい、という発想から生まれました。
とは言うものの、表のスタイルにするのは、難儀しそうなので、所謂点数評価の基準です。
(点数評価自体、受け入れがたいんだけど、わかりやすさとしては必要な気がするんだよなあ)
(ミステリアス学園持ってる人は、そのページを開いてください
 僕が持ってるのは文庫の方なので、出来ればそちらを(ノベルスの方についてるかどうかも知らないや)


例えば、石持は、論理度では高い位置にいるけど、ミステリ度ではあまり高くない位置にいます。
僕は、石持という作家を語る上で、これだけでは、不十分だと思うのです。


というわけで、提唱するのが「物語度」と「名探偵の苦悩度」です。


具体的に上げてみると


法月綸太郎
「論理度」     5(誰彼)
「ミステリ度」   5
「物語度」     5(再び赤い悪夢)
「名探偵の苦悩度」 A(再び赤い悪夢)


こんな感じです。
「論理度」「ミステリ度」「物語度」は五点満点。
まあただの印象なので、あまり深い意味はないです。
法月信者なので、こんな高評価なだけで、法月信者としてでない評価はここまでではないと思いますよ
(そんなことしるか! ってことです)


あと「名探偵の苦悩度」は、実際に名探偵の苦悩について言及しているか、というものです。
「A」は、言及するだけでなく、それに対する解決までつけている場合。
「B」は、言及するだけで、解決はつけていない場合。
「C」は、言及していない場合。
まあこれは、あまり役に立たなそうですけどね。


あと、点数の後ろにある作品は、その点数をつける基準となった作品です。
ミステリ度は心の底から印象なので、作品はないです。


この点数表の優れたところは、レビューを読む側が購入の参考にしやすい、という点です。
例えば、今までレビュワー意見を参考にする際、漠然とした点数を見て理解するには
過去ログを漁り、レビューワーの傾向をつかむ必要がありました。


とか何とか言うけど、冷静に考えてみれば、別に読者が買おうが買わまいが、参考になろうがならまいが、どうでもいいな。
意味ないんで、終わる。


関田涙についてはエルの終わらない夏読了後にまた)


自分のスカトロ(非エロだと自分は信じてる)作品の原点は、更級さんとか、まるキ堂さんにあると思ってんだけど
最近、湊谷俊作さんにもある気がしてる、というエロ作品話をするかも