原田宇陀児「新興宗教オモイデ教外伝」

オモイデ教の外伝。
というよりは、雫の外伝?
(個人的にレイナナとの関連性をすごく語りたい)


というか、ホワイトアルバムから九年ですよ、九年。
下級生からも九年だし、ONEからも九年。
とらハ1からも九年、好き好き大好き!からも九年。
終ノ空は次の年だっけな。



ONE以後、月姫以後みたいな区切りをしたら、ONE以前ですよ。
いわゆる、雫以後ですよ。
YU-NOですよ、ビ・ヨンドですよ、黒の断章だよ。
あれだよ、書淫だよ、フロレアールだよ。


そんな麗しの時代の作者が小説家になっちゃうんだよ。


まあ、元長だってロミオだって奈須だって小説家になったわけだから。
うだるちんだけを、こうやってことさらに言う必要はまったくないけど。


なんだかこう、高橋龍也があの時雫を書いていなかったらとか
チュンソフト弟切草の続編を作ろうなんて思わなかったらとか
我孫子かまいたちの夜を書かなかったらとか


あと何より、大槻涼樹はどんな気持ちで長靴をはいたデコを書いてるのかなあとか。
そんなことをツラツラと考えてしまうのです。


高橋龍也じゃなく大槻涼樹じゃなく、もちろん山田一でも元長でもなく
うだるちんがオモイデ教の続編を書いた。


という事実だけで、もうこの本に買う価値を見出してしまうのです。


この作品を実際に読んで
オーケンに謝れだとか
ミステリじゃねえだとか
面白くないだとか
そういう感想を書いてる暇があったら、是非
今からでもいいから、あの時代を再体験してもらいたいなあ。


そう思ってしまう、古いオタクなのでした。