柄刀一:3000年の密室 五点(五点満点)

科学と本格の融合を果たした二十一世紀本格のはしり。
後の龍之介シリーズなどの、科学ネタをただトリックにしてミステリ仕立てにしたクイズ小説*1とは一味違うデビュー作。
現代の事件と過去の事件が交錯する歴史ミステリの典型でありながら、その解決が科学的見地と論理的見地の両方からなされる所に、この作品の魅力がある。
同じ年に同じく鮎哲賞の佳作だった、城平京氷川透が地べたを這うようにただの本格に拘っているのとあわせて読みたい

*1:パズラーとは言えないよなあ