蒲生邸事件:宮部みゆき

作者お得意の少年一人称による青春小説とSF要素がうまく合致している長編ミステリ。
本格やミステリよりも青春小説に大きく寄っていて、殺人事件はあまり本編と関係がない。
その上SF要素もあくまでテーマを描くために必要なだけで、それを利用した意外な展開は得になかった。
けれど、その青春小説がかなりしっかりした出来だったので満足、ミステリに期待せず小説を読む気持ちで再読したくなった。