奇遇:山口雅也

哲学や物理学などの学術的な話題がふんだんに織り込まれた長編ミステリ.
これをミステリとして受け止められるか? という作者からの挑戦じみたものを感じる.
後期クイーン問題に挑んだ作品,というよりは挑む前の下準備だろう.
メタ設定に行くのでなく,あくまで現実と地続きの学問だけで解決しようとする姿勢がすさまじかった.