かまいたちの夜×3 三日月島事件の真相 完全攻略本
企画・構成 中西一彦 平田政憲(株式会社チュンソフト)
編集・執筆 柴原みちる 木野友一 林紘史 畑中央(有限会社スタジオエム)
デザイン 佐久間利佳(有限会社佐久間総合企画) 撮影 奥山清紀
制作協力 落合信也 伊東幸一郎(株式会社チュンソフト)
安孫子武丸 飯野文彦
愛川浩一(クヌルプオーナー/有限会社デイオフ)
発行人 中村光一
発行所 株式会社チュンソフト
1.はじめに
428はファミ通から、イマビキソウは攻略本未発売。
そのため、サウンドノベルシリーズでチュンソフトが発行している攻略本はこれが最新である。
企画構成を担当している中西一彦、平田政憲の両名は、チュンソフト攻略本ではおなじみのメンツ。
中西さんの方が古くから名前をみて、最近は平田さんの方がよくみる、といった印象。(本当にただの印象だ!)
編集執筆のスタジオエムは、最近だとシレンDSやシレンDS2といったシレンシリーズの攻略本を担当している。
2.攻略
かまいたちの夜×3三日月島事件の真相の攻略だけでなく、
ゲームに収録されている、かまいたちの夜シュプール編、かまいたちの夜2監獄島のわらべ唄編の攻略も収録されている。
攻略は非常に丁寧で、金の栞への到達条件であるバッドエンド埋めにも対応している。
もちろん丁寧ながら×3の特徴であるタイムチャート形式を意識されているため、直接的に「○○の選択肢を選ぶと、BADEND15」などといった
味気ない表現はされていないため、答えではなく攻略のヒントや取っ掛かりとして機能していると感じた。
3.インタビュー
スタッフの声が聞ける記事は三種類。
シナリオ補佐の伊東幸一郎、ディレクターの落合信也、シナリオの安孫子竹丸の三人による座談会。
中村光一へのインタビュー。
クヌルプオーナーへのインタビュー。
特に注目したいのは、三人の座談会。
我孫子や落合といったゲームの中枢に関わるスタッフの声を聞けるのは、ゲームを理解するうえで大きな手助けになる。
が、それよりも何よりも、ほとんど喋らないスキンヘッドでメガネでお髭の伊東幸一郎さんが凄く気になってしょうがない。
428時点では、まだチュンソフトに在籍しているようなので、ぜひ428ファンブックも購入して彼の寡黙具合を確かめたい。
それとも、落合や我孫子が饒舌なのだろうか。
ちなみに、かまいたちの夜2ファンブックではメガネとお髭を装備していない伊東幸一郎さんのインタビューが読めます。
「売れるゲームが作りたい」という彼の気持ちは、不思議のダンジョンチームで叶うことになるのですが……
4.コラム
いわゆる読み物。
作中世界の週刊誌が書いた、という設定のわらべ唄編の解説や板野文彦の小説など読み応えのある読み物が多い。
板野氏の小説は加奈子が主役で夏美も登場するという、中々本編では見られない組み合わせが面白い。
特に加奈子の心理描写は、12×3などなどを通じて非常にレアなため、加奈子ファンには非常にうれしい。*1
作中世界から見たわらべ唄編の解説も、週刊誌らしさが出しながらトリックを丁寧に解説していて読み応えがあった。
この頃はまだミノさんが、作品間を横断するキャラではなかったのが残念だ。(北島先生の作品じゃないから無理があるけどね)
ちなみにミノさんが回っていないサウンドノベルの世界は「弟切草の世界」「かまいたちの世界」の二つ。
「街の世界」は「428の世界」と同一世界、「イマビキソウの世界」には携帯小説で出演している。
5.おわりに
おそらく、かまいたちの夜シリーズの完結編である×3。
その攻略本に相応しい出来かどうかは、微妙なところだろう。
攻略に記事が割かれているため、読み物やインタビューが2ファンブックなどと比べると弱く感じる。
ただ、この本でしか読めない小説があるため「かまいたちの世界」を完全に楽しみたいファンなら是非抑えておきたい一冊。
*1:ちなみにボクは啓子ファンです