麦酒の家の冒険:西澤保彦

タック&タカチシリーズの第二長編にあたる長編本格ミステリ
昨日「論理の枝葉を議論で刈り取る」といった意味の文章を書いたけれど、より正確に書くなら「妄想によって伸びた枝葉を、議論と論理で刈り取る」と言い直した方が正しい。
追加した「妄想」というのが重要で、あくまでタック&タカチシリーズの魅力は真実か否かはともかくそれが論理的に正しいか否か、という妄想の世界を楽しんで議論する点にある。
という議論の面白さだけなのは第一短編集からこの第二長編の三作までで、次作以降はキャラクタに焦点が当たったシリーズミステリとしての趣も生まれてくる。