七度狐:大倉崇裕

落語を題材にした長編ミステリ。見立てに意外な犯人にとミステリ要素は多いものの、あまりに小説に寄りすぎている。
分類としてはフーダニットを重視してるのだとは思うけれど、今ひとつ本格らしさに欠けていて、サスペンスや小説の方を強く感じる。
前作の短編集は、ホワイダニットを重点的に攻めていて、非常に本格よりの作品だっただけに残念。
問題はその小説部分があまりにも繰り返しのフレーズばかりで、正直いって乗り切れず上滑りしてしまった。