モノレールねこ:加納朋子

ミステリではなくて、小説の短編集。いちばん初めにあった海以来の、ミステリ要素無しの加納朋子小説が味わえる。
家族愛を描いた作品が多く、ポトスの樹やパズルの中の犬は家族愛ってだけで涙する僕には、もう感動を通り越して拍手しながら読み終えた。
ベストを選ぶのは難しいが、愛しいまでの狂気を一直線に表現していたシンデレラのお城。狂気というものに恐怖ではなく、感動させられたのは初めてかもしれない。
ミステリ以外の作品を読むのもたまにはいいかな、と優しい気持ちになれた良作。面白かった!