千年樹:荻原浩

ミステリではなく、同じ樹をテーマにすえた短編連作集。
だいたい、ミステリではないって前置きをしながらも、ミステリらしさを語るのが定番なんだけど、今回は本当に真っ当な小説。
どの短編も過去と未来の二本立てで、それらが連作の中で過去と未来が時を刻み二重螺旋を描いていくという構成は面白い。
構成の妙は楽しめたが、個々の小説はオチが弱く、伝えたいことがあるならハッキリ言ってもらわないと伝わらない。満足度はかなり低め。