ルーガルー:京極夏彦

姑獲鳥の夏リファイン。と言うのは大げさかもしれないが、テーマ的にも設定的にもメインシリーズと地続きにある長編小説。
特に人が人を殺す理由についての議論は、京極堂シリーズから強く引き継がかれており、世界観設定とあいまって議論が一歩も二歩も先に進んでいる。
宗教観が希薄になった未来が舞台だからこそ、こういった抽象的なテーマの議論が核心に近づいているように感じた。
ミステリ色の薄さや、キャラクタ小説色の濃さが気にはなったけど、京極夏彦らしさは濃かったので満足。