さよならの次にくる 新学期編: 似鳥鶏 (ネタバレあり)

青春ミステリ短編連作集の下巻。
ミステリとしては、日常の謎物ながら中々本格な謎もあり楽しめた。ベストは、春の日の不審な彼女。ハウダニットと見せかけての意外な犯人物。しかも連作であることを生かしたそれで驚いた。
小説としても、青春小説らしい晴れやかな読後感だった。特にラストの詩に関する絵解きは、知識トリックながらほんわかさせる良いオーラスだった。
そしてなにより、演技とはいえBL描写にはっきゅんどっきゅん。ミステリやおい界にまた一組すばらしいカップルが加わった。シリーズがもっと続いて、もっと主人公の依存度が高くなったら京極や坂木に負けないぐらい立派なカップルになっているだろう。