完全犯罪研究部：汀こるもの

ミステリよりも青春小説の方に寄った青春ミステリ短編連作。
軽い文体に加え、パロディのギャグも大目、キャラクタもわかりやすい個性付けがされていて読みやすかった。
ミステリとしては弱すぎるが、青春小説としては面白かった。特に青春小説だからと、安易に学生一人称に逃げずにあえて教師の一人称で話が展開するのも雰囲気が出ていた。
元々、小説としても考えさせられるシリーズを書いていただけに、この方向性はかなりマッチしていて面白い。是非シリーズ化ないしは、この方向性でもう一、二本読みたい。
あと、どうでもいいけど、ミステリでkey作品のパロディを読むと、どうしてもマイフェイバリット作家城平京の短編を思い出してしまう。