ミステリ読みではない人間をミステリ読みに洗脳する15選

ミステリ読みとそうでない人間の違いは何か?
それは「ミステリ的にどうよ?」という価値観で動けるか、にあると思う。


例文を出すと「今、BoostOnって会社が出してるたんていぶってゲーム、ミステリ的にどうよ?」とか
「今の西尾維新のあり方って、ミステリ作家としてどうよ?」とか
金色のガッシュベルってミステリ的には欠陥だよね」とか
「今日の会議のあの人の発表ミステリ的にみると、アンフェアだよね」とか
みたいな会話に違和感を覚えない人がミステリ読みだと思います。
(最後だけずば抜けてキチっぽいですけど)
ちなみに、たんていぶはミステリ的にはそんなに悪くないと思います。


つまり、本来、ミステリのルールを適用する場でないときでも、ミステリ的に考えてしまう人間がミステリ読みなのです。


という前提にたってミステリのルールを覚えてもらうための15選がこちらです。

1.ラグナロク洞 《あかずの扉》研究会影郎沼へ:霧舎巧
 ミステリキチガイレベルがかなり高い、鳴海雄一郎が大活躍する作品をシリーズから選出。
 彼自身が主人公を勤める短編連作を次の一冊にすれば、文句無しで染まりそう。
2.退職刑事:都筑道夫
 安楽椅子探偵ほど、ミステリの本質をついてるものはないよねー。というわけで、代表的なものを選出。
3.麦酒の家の冒険西澤保彦
 ミステリ的な考え方とは何か? を考えさせられる作品といえば、空想推理の達人タック&タカチを忘れちゃいけませんね。
4.タイムスリップ森鴎外鯨統一郎
 ただただミステリ作家名を羅列とか、まさに洗脳みたいなもんだよね。
5.セリヌンティウスの船:石持浅海
 実際にこんな奴らいたら、気持ち悪くて友達になれないよってぐらい、ミステリとして事件を俯瞰しているのが特徴の作品。
 人の死とか、それを思う気持ちなんかも、推理のネタにするのがミステリ読みってもんでしょう。
6.銀の檻を溶かして:高里椎名
 ミステリとやおいが切っては切れない関係であることも、この辺で教える必要があるでしょう。
7.家族の行方:矢口敦子
 といわけで、世間一般では個人のプライバシーであるところのジェンダーも、ミステリ読みにとってはトリックの一つでしかなく、暴きたいときに暴くことに罪はないということを理解してもらいましょう。
8.追想五断章:米澤穂信
 作中作と聞くだけで無闇やたらにテンションがあがる性分をわかってもらいたい流れの一つ。
9.追憶のかけら:貫井徳郎
 上に同じく。作中作と聞くだけで、無性にそわそわして、解釈をかわし合いたくなる気持ちをわかってもらいましょう。
10.奥様はネットワーカー:森博嗣
 日記形式にも、なぜか興奮してしまうこともわかってもらいましょう。
 他人の日記を盗み見て叙述トリックをしかけられてー! って思うのがミステリ読みのはずですからね。
11.9時間9人9の扉:ChunSoft
 ミステリ読みは本だけじゃなくて、ゲームも好きだよ、
というアピール。
 ただし、ゲームであるなら、ゲーム機を使う”意味”みたいなものがないと本でいいじゃん、と言ってしまうのもミステリ読みだと思います。
 なので、ゲーム、しかもDSでないと意味のないトリックが仕掛けられたこの作品を選出。
12.12人の優しい日本人:映画
 映画もフェアじゃないといけないよ! と、上と合わせて、ミステリ読みのルールを拡大して本だけじゃない所にもミステリを求めてしまう性分をわかってもらう流れ。
14.ヴァンパイア十字界城平京
 バトル漫画だってミステリとして成立してないと、文句をぶーたれることもわかってもらいましょう。これが漫画におけるミステリの正解ですからね。(断言)
15.模造人格:北川歩実
 最後にミステリ読みの反面教師として、この作品をピックアップ。
 こういう、人の話を議論のネタにできず、感情だけでうだうだ言う奴が登場する作品が大嫌いだ! と声を大にしましょう。





えっ? 13がないって?
馬鹿者め! 作者のミスや誤植を疑うまえに、トリックである可能性を見破れなかった貴様は、ミステリ読みでない!!!
最初から、上記の14作品を読み直し!
このときの正解は「13がないのは、13人目の探偵士を読み取って欲しいトリックに違いない」と一人で納得して、ブログにコメントすることだよ!