死と乙女:北島行徳

チュンソフトのゲーム「金八先生伝説の教壇に立て!」の九話十話をより掘り下げた、青春小説。
作中で謎だった桐谷とチハルの関係が「サドマゾ」という定義の中に押し込まれてしまったのが、非常に残念。
物語としてそこは「名前も形も無いもの」*1だからこそ、主人公の空回りやヒカルの無力さが際立つのであって、
この小説を読んでしまうと主人公やヒカルはチハルと桐谷を理解できなかったのではなくて、「サドマゾ」を理解できなかっただけのように読めてしまった。
ゲームを補完する、という形式に目をつぶれば非常に良質な青春小説で是非こらかも株式会社ジンテーゼを応援していきたくなった。

*1:QED16巻の台詞