のの美捜査中 考察「萌えとミステリ」

起:ミステリコミックについて「城平を称えましょう」
ミステリ界広しといえど、のの美捜査中に関するレビューを載せているミステリサイトは、ウチぐらいなもんだろう。
という自負を掲げながら、レビューが始まる。


ミステリコミック。
と言われて、何を想像するだろう?


名探偵コナン金田一少年の事件簿探偵学園Q、犯罪心理捜査官草薙葵、スパイラル、ヴァンパイア十字界、僕らの推理ノート、CLAMP学園探偵団QED、土曜ワイド殺人事件。
まあ大体、この辺りだと思う。
コナン、金田一が人気的には双璧を成しているが、ミステリファン的には、スパイラルとQEDがよく話題に上がる。
QEDは短編のキレを、スパイラルは長編のコクを評価されていると思うのだが、この話は今回関係ない。
なお、調子にのって、CLAMP学園探偵団を挙げているが、ミステリ要素は薄いので購入はお勧めしない。
あと、土曜ワイド殺人事件も、大したミステリではないが、購入はお勧めさせてもらう。
ゆうきまさみのミステリセンスがよくわかる作品、とはなっていないのが残念ではあるが、ゆうきまさみは何気にミステリが好きである(はてしない物語参照)


さて、話題ののの美捜査中もそんなミステリコミックの一員である。

のの美捜査中はミステリコミックであり、それでいてこの文章は文字数稼ぎである。

承:ミステリと漫画の相性「動きの必要性と会話の必要性」

のの美捜査中と、その他のミステリコミックには、大きな差がある。
それは、四コマ漫画であることだ。


前回の考察で話したように、ミステリとギャグの相性は非常に良い。
ということは、必然的に四コマとの相性も良い、とは考えられないだろうか?


そもそも、ミステリと漫画自体は、とても相性が悪い。
本屋に言って、有名ミステリ作家のコミカライズ作品を見てもらいたい。
タカチはこんなんじゃない!
ノリリンはこんなんじゃない!
有栖は受けだろ!?
という、悲喜こもごもの意見が聞けるだろう。
(どう考えても、ミステリの批評になっていないのが、ポイントではない)


そんな余談はさておき、ミステリと漫画の相性は悪い。


たしかに、QEDやスパイラルといった成功作品もあるが、どちらも問題を抱えてはいる。
特に、長編であるスパイラルには
「議論を交わす」という、ミステリにおいて必要不可欠な要素が、非常に間延びして見えてしまう。
作者もライフイズスパイラルで、動きが必要なことを悩んでいる。
この問題については、城平がライフイズスパイラルで、必要以上に文量を割いているので、そちらを見てもらいたい。


論調からすると、四コマ漫画であれば、それを解決できる。
となるはずだが、あいにく、四コマ漫画については、何も知らないので、そういうわけではない。

この文章は、四コマ漫画とミステリの相性がいい、という結論ではない。

転:萌えとミステリ「萌えと四コマ」

ミステリと漫画の相性は悪いが、ミステリと萌えとの相性は、とてもよい。
京極や有栖川のように、やおいの方向にも
西澤や米澤のように、普通の萌え方向にも、ミステリは展開している。


それは、ミステリが新伝記と呼ばれるジャンルにシフトしていく面からも、明らかだろう。


また、萌えと四コマの相性も、とてもよい。
これに関しては、萌え四コマ、という単語が定着した今では、わかりやすいと思う。


そう、四コマ漫画とは、萌えを通じてミステリと繋がっているのである。

ドキドキ☆ビジュアル四コマ漫画とミステリの相性は、萌えを通じていい。

結:無理はいけない「のの美捜査中三巻まで発売中」

では、のの美捜査中はただの萌えミステリ四コマなのだろうか?


そうである。
20代ロリ萌えにとっては、たまらない存在である。


……というのも、味気ないので、ミステリファンでも興味わくような、解説をしてみたい。


のの美捜査中は、四コマ漫画でありながら、ストーリーを持って、一話完結の短編で事件を解決します。
つまり、四コマ一つで終わるのでなく、一回の四コマ十個程度で一つのストーリーになるわけです。
というのは、最近の四コマ漫画にありがちなシステムなので、言わずもかなですね。


というわけで、僕が思わずおどろいたトリックを一つご紹介します。


主人公で、二十代ロリの「のの美」、その上司、のの美のことが好きなレズ婦警、という登場人物をまず抑えておいてください。


作中、台風により署内(警察官なんですね彼らは)が停電します
そして、のの美の上司が一コマ目に入り、
次のコマで「暗闇に乗じてさわりまくり」という、真っ黒の背景に台詞だけが出ます。
そして、三コマ目で、胸を触られるのの美。
オチは、上司ではなく、レズ婦警が触っていた。


そして、この後、別の話しで、
逆にレズ婦警がサンタに注目するカットから入って、謎のサンタクロースがのの美の元に現れるが
実は、上司の方が謎のサンタでした。
という展開に繋がる、登場人物誤認のミスリードというテクニックを使っているんですね。


……文章にしてみると、大して面白くなかった。

余談

仕方ないんです、トイレの中でのの美捜査中を読んでしまったんだから、仕方ないんです。
次こそは、真面目に書きたいな。


さて、書きがいがありそうな、作品をやります。
ミステリが二つ続いたので、エロゲ行きます。


少ししつこいですが、I/Oはないです。

お知らせ
見てる人がいてかつ
書いて欲しいレビューがあったら、コメント欄にでも書いてください。
その作品をやってたら、それを優先して書きますね。


とは言うものの、結構やってないのに書いてるレビューもあるので、気にせずどんどん書いてください。