家族の行方:矢口敦子 一点(五点満点)

失踪者の探索というサスペンスな展開の長編小説。
ミステリ的には要素がほとんどなく、所謂衝撃の事実とミスリードだけでよく400Pももたしなあ、と逆に関心してしまう。
ただし、小説としては真っ当で、家族というテーマを多彩な視点で様々な答えを出しているのが好印象。
特に失踪した少年の手記で描かれている父親像は非常に魅力的で、久しぶりにホモビデオでも借りに行こうかなあ、と思った。