世界構造系ミステリとセカイ系『ひぐらしとエヴァ』

ひぐらしのなく頃には、アルファシステムの無名世界観により作られた「世界構造系ミステリ」の一つです。
世界構造系ミステリとは、何故世界はこうなっているのか? を作中の情報から論理的に推理するジャンルを指します。
このジャンルは、さらに二つに分けることができます。

リアルタイム

一つはひぐらしや無名世界観のような「リアルタイム方式」のこと。
これは、作中に探偵役を据えず、物語を俯瞰できる「読者」が推理を行うスタイル。
このスタイルは古くからある「読者への挑戦状」やリドルストーリーと酷似しています。
作者から読者に謎を放り投げる点では、同じといえます。


読者の挑戦状との差は、実際に対話が行われることです。
ひぐらしの場合、解決がメタ要素を持った作中キャラによってなされるため、作者との対話は薄かったのが難点ですね。
ですが、順繰りに刊行される物語に沿って推理を行っていく、というスタイルは「リアルタイム」と呼んでいいと思います。
無名世界観の場合は作者との対話により、ゲーム自体が動いています。
リドルストーリーとの差は、どちらも明確な回答が用意されている点です。


このリアルタイム方式の場合の難点は、まさにリアルタイムであること。
発売された当初から付き合っていないと、ゲームに参加できないことです。


スタンドアローン

さて、世界構造系ミステリのもう一つのスタイルは「スタンドアローン方式」その名の通り一つで完結している物語です。
この方式をとった作品は、世界構造とは設定のことである、と考えれば多く見つけれると思います。
古くは夢野久作の「ドグラマグラ」やアジモフの「鋼鉄都市」など。
ここ最近では、西澤の初期長編、京極夏彦のシリーズ、などなど。


を世界構造系ミステリ、とするのは大きな間違いです。
だから、五時間まえぐらいに書かれた文章が消されているんですね。
(文章が乱れはじめます)


世界構造系ミステリ、とは「世界観(=特殊な設定)が明記」されていてはいけないのです。
世界構造からフーダニットやハウダニットやフアイダニットをするのではなく、世界構造そのものを問うのです。
ほんと、勘違いでした、ごめんね。


では、どういう作品が一つで完結した世界構造系ミステリなのかと言うと。
えーっと、ほら、あれじゃない?
んー、ほら、あれだよあれ。
うん、そうあれね、あれ。
あれあれー。
あれれー、私の世界構造系ミステリがないよー。

エヴァ、ホロウ、つまりセカイ系

セカイ系は世界構造系ミステリではありません。
「えー、僕はエヴァの時リアルタイムで世界の構造について色々話したよ、推理したよ」
という反論はあるでしょう。


ミステリじゃないからだよ、ミステリじゃ。
明確な解答とそこにいたれるまでの伏線、そしてそれを導く論理の道筋。
そして何より、読者への挑戦状をたたきつけてないじゃないか。


セカイ系を世界構造系ミステリと呼ぶのは簡単です。
ですが、作者が謎を解いて欲しがっているのか。
それを考える必要があるんじゃないかなあ。


だから、ハルヒがどっちに転ぶか見ものだと思います。



ああ、グダグダ。